「ドラえもんの新刊が出る」というニュースに世のドラえもん好きの方の多くは喜んでいると思うのですが、僕は少し怒っています。
ドラえもん0巻は出版されるべきではありません!!!
こういうことを言うと「ま〜たヲタクが発狂してるよ〜」と思われがちですが、まあ実際その通りなので、軽く聞き流す感覚でこの記事を読んでいただけると幸いです。
僕が0巻出版に反対する理由、それはズバリ
「パラレルワールドを承認することで、既存のてんとう虫コミックスで構築されていた一本の世界線という価値観が崩壊するから」
です。
こんなこと言われてもわけがわからないとと思うので、一つずつ説明していきます。
1雑誌掲載時のドラえもんのパラレルワールド性
0巻は6種類の第1話で構成されています。
〈 書籍の内容 〉6種類の「幻の第1話」が一堂に集結!
誕生50周年にちなみ、全6種類の「ドラえもん」第1話を初出バージョン&完全カラーで収録。
ここで皆さんは不思議に思うかもしれません。
「なんで第1話が6種類もあんねん?!」と。
この理由は、ドラえもんは複数の雑誌に同時並行で連載されていたからです。
ドラえもんは小学館の「小学一年生〜六年生」に連載されていました。だから6種類も1話があるわけです。
ここで強調したいのは、小学一年生のドラえもんと小学二年生のドラえもんは全く別物だということです。
藤子F不二雄先生は子供たちが読んで親しみやすくするために、「小学一年生」ののび太は7歳、「小学ニ年生」ののび太は8歳いうように、掲載雑誌によって「ドラえもん」を書き分けていました。
そのため雑誌掲載時のドラえもんは1つの世界を6分割する構図ではなく、6つの世界が並行的に存在するパラレルワールドの構図になっているわけです。
(パラレルワールドのイメージ)
2既存の単行本ドラえもんの単一世界性(非パラレルワールド性)
対して、現在我々が手にする単行本(てんとう虫コミックス 以下てんコミ)のドラえもんは、「小学一年生〜六年生」に掲載された話を見た目上矛盾がないように抜粋して、まとめられたものです。
ここで重要なのが「矛盾がないように」という点です。
単行本には、登場人物の年齢を特定できる話や、本来一度しか起こらない出来事(出会い、別れ等)を複数回載せることは、殆どされていません。
そうして日常回のみを載せることで、本当は住む世界が異なるのび太達が、見た目上同じ世界にいるかのように、我々が錯覚しているのです。
つまり単行本ドラえもんは、6つのパラレルワールドから日常要素を抽出して再構築された、新たな単一世界だと言えます。
(再構築された1つの世界線のイメージ)
しかし、てんとう虫コミックスに載っているドラえもんとの別れの話は「さようならドラえもん」一作のみです。
別れが何度もある、という矛盾を解消するために他の別れの話は省かれたということになります。
3「0巻」出版による単行本ドラえもんの単一世界の崩壊
ここまでくると、皆さんもご察しでしょう。
そうです。ドラえもん0巻は本来複数回あるはずがない出会いの話を6話も乗せることで、これまで単行本で再構築されていた単一世界を破壊することになるのです。
(ギャルゲーの分岐ルートみたいなのが作られるイメージ)
せっかく、これまで、何十年も、見かけ上1つの世界線を保ってきたのに、ここに来て、それを、無惨に、破壊するのは、駄目じゃないか!!
というのが僕の持論です。
いや、てんとう虫コミックス外で出版するのは別にいいと思うんですよ。でもてんとう虫コミックスを題して出すのはいかがなものかというわけです。
なんていうか、映画のカットシーンを映画本編で流すような興ざめ感があるというか。
僕「とにかく0巻を出すのは駄目やねん!!!」
僕「ダメダメダメダメ、ぜーったいダメ!!!」
僕「廃刊!!廃刊!!さっさと廃刊!!しばくz」
(↑僕)
皆さんが新刊を楽しみにしてる中で、一人でブツブツしょーもない文句言って本当にすみませんでした。